今の家と昔の家を比較するのは、正直難しいところが多い。
よく新築に住んでいると、言われることとして、
「どこでも暖かいんでしょ、うらやましい」
そりゃそうです、造りが違うんですから。
一番大きな違いは、断熱性能の差と、家の大きさ、家族形態。
家に求められるものも、家の使い方も昔と今では違うのです、
ですので、ひとくくりにはできませんが、
じゃあ、すべて昔より今が良いのか!?
ええ、私はそうは思わない。
特に今の時期に、昔の家が良いなと思うのは、
「ストーブ」なんです。
「え!?」
と、思う人もいるかもしれませんが、
薪でも、石油でもどっちでもいいです。
はい、暖房というジャンルでのストーブじゃない。
「ストーブ上での、コトコト鍋調理的な暮らし」、
私はですね、これだけは今の家が勝てないマイナス要素、
いつもそう思っています。
どんなにIHと圧力鍋で調理しても、ストーブでコトコト調理には、
味という観点からも、絶対に勝てない。
ゆっくりと時間をかけて煮込まれたものほど、その差は歴然。
今の家での暮らしで、これができるか!?
専用の薪ストーブでも入れない限り、できないんですよね。
そしてまた、仕事世代共働きには、まずもって不可能です。
時短では、今の暮らしIHの勝利。
じっくりでは、昔の暮らしストーブの勝利。
ストーブの上でほっとかれている鍋のある暮らし、
ストーブの上に陣取るやかんと熱燗のある暮らし、
私は、今の日本が失った悲しい歴史だと思っている。
(注)個人差がありますので、すべて正しいとは限りません。